指導者のための指導者支援情報

海の産業・環境・漁業権ほか海浜活動のルール

海の産業について

海を利用する上で知っておかなければならないのは、同じく海を利用している産業や活動についてです。

主な産業は漁業です。沿岸漁業には、(1)アワビやサザエなどの磯の生き物を採取する素潜りや磯見漁業、(2)海中に網を張り、魚介類を捕獲する刺し網漁業、(3)かごの中に餌を入れ、入ってくる魚介類を捕獲するかご漁業。これらはいずれも漁協に与えられている漁業権、或いは都道府県知事の許可に基づいて営まれています。

また最近、漁業や漁村の持つ多面的機能に着目して、地域振興を行おうとする「海業」と呼ばれる活動が盛んになってきました。海業のうち直接沿岸を利用するものとしては、例えば、遊漁案内、釣り筏、ダイビング・シュノーケリング、ホエール・イルカ・ウォッチング、海水浴、潮干狩り、遊覧船・グラスボート、観光定置網、観光地曳網、観光刺し網、観光養殖、体験漁業、ホタルイカ観察、海ほたる観察等多種多様なものがあります。
海を利用する場合、これらの産業や活動とのトラブルを避けるために、事前に漁業協同組合(漁協)の同意を得るとともに海を利用している団体や業者にも周知を図ることが必要です。また、場合によっては海上保安部への届け出も必要となります。

海の生物と環境

沿岸の環境は多様性に富んでいます。海底の地形や材質、表面の凸凹、石の形状、流れ、波浪、透明度などといった要素が複雑に影響しあって異なった環境を作りだし、その結果いろいろな環境が狭い範囲に混在していることがよくあります。そこに棲んでいる生物は、それぞれの環境に適合した種類なので、異なった環境には異なった種類の生物が棲んでおり、その多様性も富んでいることになります。そこで、シュノーケリングなどで眼下の光景とすぐ横の光景が異なるといったことがよく経験されるわけです。

海に棲む生物の多くの種類は、生まれたときからしばらくの間海中に漂って暮らし、その後自分の生育に適した環境に着定するという行動様式を持っています。これらの生物のうち多くの種類は、着定する場所を、材質や明るさなどの物理的な要因ばかりではなく、餌となる生物の匂いや自分の仲間の匂いなどといった化学的な要因を頼りに決める場合があるといわれており、海の複雑な環境の中から生き残りに適した場所を探しあてる確率を高めていると考えられています。

もちろん幅広い環境に適応できる生物も多いのですが、着定して暮らす生物の中には生育できる環境が限られる種類も多く、固着している生物は取ってしまえばもとに戻らないので、海の生物を観察する場合にはできるだけその場所で観察するようにしてください。また、採集しての観察は必要最小限に止め、観察が終わったらもとの住処へ戻してやるようにしてください。

海の生物と漁業権

海岸にはいろいろな生物がいるので、つい捕ってみたくなることがあると思います。しかし、アワビやサザエなど漁業上重要な生物には漁業権が設定されており、漁業協同組合員以外の人が勝手に捕ることはできなくなっています。
漁業権とは、漁場や資源の合理的、有効的な利用を図るため、漁協に対し漁業法に基づき都道府県知事が漁業権を免許し、組合の管理下に組合員が漁業を営むという制度です。
このうち共同漁業権とは一定の水面を共同で利用して漁業を営む権利であり、漁業種類に応じて第1種から5種まであります。第1種共同漁業権はアワビやサザエなどの貝類、藻類などの定着性の水産動植物の採捕を目的とする漁業を対象としています。その対象となる水産動植物は水域ごとに定められており、海岸にも看板などで掲示してあります。ちなみに島根県では表1のようになっています。
漁業協同組合員以外の人が第1種共同漁業権の対象となっているアワビやサザエなど水産動植物を採捕すると漁業権の侵害にあたり、20万円以下の罰金が科せられることがあります。

また、都道府県には水産資源の維持・育成するために漁業調整規則を定め、漁法についての制限、重要な水産動植物の禁漁期や体長制限などを設けています。一例として、島根県では表2のようになっています。

これに違反すると島根県の場合、最大で3年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられることがあります。

磯の生き物は無秩序に捕ってしまうとすぐに減ってしまい、場合によってはその磯から消滅してしまうこともあります。自然を観察するという立場から、生き物は観察するだけに止めておき、持ち帰ることはやめましょう。

国を始めほとんどの都道府県は、遊漁など海を利用したレジャーを行なう場合の注意事項をHPに掲載していますので、参考にしてください(遊漁関係のHPへリンク)。

表1 島根県において第1種共同漁業権の対象となっている水産動植物
ほとんどの海域で設定されているもの 一部の海域で設定されているもの
貝類 あわび、さざえ とこぶし、あさり、おきあさり、はまぐり、こたまがい、いわがき
藻類 わかめ、いわのり、てんぐさ、もずく ひじき
その他 なまこ、うに、たこ
表2 島根県における主な水産動物の採捕禁止期間と禁止サイズ
名称 採捕禁止期間 名称 採捕禁止サイズ
あわび 10月1日から11月30日まで あわび 殻長 10cm以下
さざえ 5月1日から6月30日まで さざえ ふた径 2.5cm以下
なまこ 5月1日から8月31日まで はまぐり 殻長 3cm以下


都道府県名 担当部署
農林水産省 水産庁
北海道 水産局漁業管理課
青森 水産局水産振興課
岩手 農林水産部水産振興課
秋田 農林水産部水産漁港課
宮城 農林水産部水産業振興課
山形 庄内総合支庁産業経済部水産課
福島 農林水産部水産事務所
茨城 農林水産部漁政課
千葉 水産局水産課漁業調整室
東京都 農林水産部水産課
神奈川 環境農政部水産課
新潟 農林水産部水産課
富山 農林水産部水産漁港課
石川 農林水産部水産課
福井 農林水産部水産課
静岡 産業部水産資源室
愛知 農林水産部水産課
三重 農水商工部水産資源室
滋賀 農政水産部水産課
京都府 京都府水産事務所
大阪府 環境農林水産部水産課
兵庫 農林水産局水産課
和歌山 水産局資源管理課
鳥取 水産振興局水産課
島根 農林水産部水産課
岡山 農林水産部水産課
広島 農水産振興部水産課
山口 農林水産部水産振興課
徳島 ブランド戦略総局水産課
088-621-2470(詳細は課へお問い合わせ下さい)
香川 水産課
087-832-3471(詳細は課へお問い合わせ下さい)
愛媛 農林水産部水産課
高知 水産振興部漁業管理課
福岡 漁業管理課
092-643-3553(詳細は課へお問い合わせ下さい)
佐賀 農林水産商工本部水産課
長崎 水産部漁政課
熊本 農林水産部水産振興課
096-333-2457(詳細は課へお問い合わせ下さい)
大分 農林水産部漁業管理課
宮崎 農政水産部水産政策課
鹿児島 林務水産部水産振興課
沖縄 農林水産部水産課

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